子どもはよく言い間違いをする。
口がうまくまわらない、間違えて覚えているなど、理由はさまざまだ。
中でも、かわいいのが
ヘリコプター→ヘリポクター
とうもろこし→とうもころし
これだ。
このようにアルファベットに直した時に子音が入れ替わって発声することを、音位転換(メタセシス)というらしい。幼児期にしか見られない、不思議な現状なのだそうな。
うちのムスコッチャンが2歳くらいの頃しきりに言っていたのが、
桜→たくわ
たんぽぽ→たんぽぽん
この2つ。
春になると思い出すが、5歳になった今、桜もたんぽぽも普通に発音している。
しかし親の私はあの頃が懐かしく、たくわとたんぽぽんを使ってしまう。
「ほらムスコ、たくわが咲いているよ。」
「桜だよ!」
「ほらムスコ、足元にたんぽぽんがぽんぽんしているよ。」
「たんぽぽだよ!!」
子の成長は嬉しいものだが、寂しいものでもある。
たどたどしい口調の「たくわ」と「たんぽぽん」は、もう聞けない。