幼稚園で進級するにあたり、小さくなっていた体操服を買い換えた。
年中から年長へ、MサイズからLサイズへ。
Mは友人の子にあげるために、名前シールをていねいに剥がし、漂白と洗濯をする。
Lには、新しいクラス名を書いた名前シールを貼り、補強のために縫う。
この「名前付け」は地味な作業なうえ、かなりめんどうだ。
春になると、保育園・幼稚園の準備でめんどうな作業No.1!みたいな触れ込みで拡散されることもある。
しかし、私はこの作業が嫌いではない。むしろ好きである。
もちろんめんどうだし、私は激烈不器用なので、上記のような針と糸が必要なタイプの名前付けだと、針がグサグサと指に刺さり、誇張なしに手が血だらけになってしまう。
そんな体たらくなのに、なぜ好きと言えるのか。それは、子どもの成長をダイレクトに感じる事ができるからだ。
保育園・幼稚園に入園する前なら「ああ、園に入るんだな」と思いながら1つ1つのアイテムに名前を付ける。
進級なら「大きくなったな」と感じながら、買い換える・買い足すアイテムに名前を付ける。
自分が子どもを想って付けた名前が、各アイテムに記されていくのは、とても感慨深い気持ちになる。
我が子が成長する喜びと、一抹のさみしさを感じながら、私は今日も指に穴を空けるのだ。