テル子のおはなし

エッセイとかコラムとか

赤ちゃん言葉が治らない

「○○でちゅね~」

「どうちまちたか~」

など、幼子やペットに対してデロデロになっている人が使う赤ちゃん言葉。

自分自身、子を産む前は子どもに対してそういう言葉を使うとはつゆほども思っていなかったが、実際子どもを産んでみるとそういう言葉を使う使う。

なんなら独自の赤ちゃん言葉を生み出して、語尾に全部「べび」を付けていた時期もあるほどだ。我ながら酷く気持ちが悪い。

 

ムスコッチャンはもう5歳。

赤ちゃん言葉で接する年齢ではないし、教育的にも普通の言語を使うべきだろう。ムスコッチャン自身も普通の言語で話している。

 

しかし、私だけが赤ちゃん言葉から抜け出せない。とくに、語尾に「べび」が染みついて治らない。

具体的には……

「そろそろねんねべびするよ。」

「ぼきゅきゅ~きゃわきゃわでちゅべび~」

みたいな感じだ。本当に気持ちが悪い。気持ちが悪いことはわかっているが、どうしてもやめられない。方言のように染みついてしまっている。

 

 

しかし、心のどこかでこれを治したくないと思っている自分もいる。

我が子がエケチェンでいてくれる時期は短い。私からみたムスコッチャンはまだまだ赤ん坊だが、幼稚園での一人称は「おれ」らしい。そのくらい、いっぱしのガキンチョに成長しているのだ。それを、認めたくないのかもしれない。

親として、子どもの成長はこの上ない喜びのはず。いつまでも「かわいいかわいい私の赤ちゃん」でいて欲しいと思うのは、激烈な親のエゴだ。

 

それでも、もう少し私の赤ちゃんでいて欲しい。

我が子愛らしさに、そう思ってしまうのよね。